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京都五花街合同伝統芸能特別講演

京都市(京都会館)/八月十八日〜十九日
「京部五花街合同伝統芸能特別公演」は、京部の芸妓さんや舞妓さんが勢揃いする華舞台です。昨年、折しも平安2部千二百年を記念して流派の異なる五つの花街が初めて共演したのが好評を博し、今年もその華やかで難やかな舞台が再現されることになりました。

 

華舞台の由来については、江戸時代に祇園の茶店でお茶をたてる女性たちが、「祇園町踊」という歌舞を演じたのが始まりとされています。ここに京都五花街合同公演の演目を簡単に紹介しますと、「祇園甲部」は井上流で「七福神」を揃いの宝船の着物で舞い、「宮川町」の楳茂都流は「新曲浦島」、「祇園東」の藤間流は「花と鐘」で京鹿子娘道成寺の曲を構成したもの、「上七軒」花柳流は能狂言「末広狩」をコミカルに脚色したもの、「先斗町」の尾上流は「秋の色種」の演しもので、秋の情緒を細やかに見せるなど、工夫を凝らした絢欄豪華な演出が見どころとなりました。
フィナーレは、それぞれの歌舞会から二十人の舞妓さんが登場。京都の春夏秋冬のうつろいを「舞妓の振い」で、舞台を五色の花で飾り、満場の観客の喝采のうちに幕を閉じました。観客は異例の合同公演とあって、京都周辺のファンのみならず全国の観光関連業者をはじめとして申込み者が殺到し、満員の盛況をみせました。
今後は、この公演を京都の年中行事として定着させ、伝統芸能を活用して地域振興の原動力にすることが期待されています。

 

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